はじめに
2025年のアメリカ不動産市場は、住宅購入者、投資家、不動産エージェントの全てにとって注目すべき年になるでしょう。2024年を通じて市場は徐々に安定し、パンデミック時代の異常な低金利から回復する過程にありましたが、いまだ高金利や価格上昇の課題に直面しています。
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住宅ローン金利が依然として6.6%前後と高止まりする一方で、在庫の増加により市場のバランスが少しずつ整ってきています。また、地域ごとの住宅価格や需要の二極化が続き、全米の住宅価格は平均3.5%の緩やかな上昇にとどまると予測されています。
このブログでは、2025年のアメリカ不動産市場における主要なトレンドを、具体的なデータを交えて深掘りします。住宅ローン金利、価格、在庫、地域別動向、差し押さえ物件の現状などを網羅し、2025年を迎えるにあたって知っておくべきポイントを詳しく解説します。ここから具体的な市場データと2025年不動産市場の主要ポイントの分析に入っていきます。
金利動向:まだ続く高金利時代
2024年に平均6.6%の水準で推移した住宅ローン金利は、2025年も高止まりする見込みです。金利が6%以下に下がるのは早くても2026年以降とされ、短期的な改善は期待できません。これは購入者にとって厳しい環境を意味しますが、価格上昇の抑制要因ともなっています。
住宅ローン市場:回復の兆し
住宅ローン市場では、2024年第2~第3四半期に回復の兆しが見え、2025年には前年比15%の増加が予測されています。驚くべきことに、高金利の中でも再融資活動が増加傾向にあり、市場のセンチメントに変化が見られます
住宅価格:地域差が広がる価格動向
全国の住宅価格中央値は36万ドル(約3,960万円)で前年比5.3%上昇しましたが、2025年の予測では上昇率が3.5%まで減速すると見られています。特に中西部や北東部では在庫不足が続き価格が上昇する一方、フロリダやアリゾナなどのサンベルト地域では在庫増加により価格が横ばいまたは若干の下落が見込まれます。
在庫状況:増加する選択肢
2024年には在庫が前年比27%増加しましたが、それでもパンデミック前の水準には届いていません。2025年にはさらに12~15%の増加が予測され、購入希望者にとって選択肢が広がります。しかし、住宅所有期間が長期化する「Great Stay」現象により、在庫増加は地域差が顕著です。
差し押さえ物件:市場への影響は軽微
差し押さえ物件数は引き続き低水準であり、2025年も市場全体に与える影響はごくわずかです。住宅所有者が十分な資産価値を保持しているため、大量の差し押さえが発生するリスクは低いとされています。
地域別動向:二極化する市場
中西部・北東部:在庫不足が深刻で、価格は前年比7~10%上昇。
サンベルト地域(フロリダ、アリゾナ、テキサス):在庫が増加し、価格は横ばいまたはわずかに下落。
2025年の展望:よりバランスの取れた市場へ
2025年の市場は、在庫増加と金利の安定により徐々にバランスの取れた状態へ移行すると期待されています。ただし、高金利と手頃さ(Affordability)の問題が依然として大きな課題となるでしょう。
まとめ
2025年のアメリカ不動産市場は、在庫増加による選択肢の拡大、地域ごとの価格動向の違い、金利の高止まりという課題を抱えながらも、購入希望者や投資家にとって新たな機会を提供します。今後の動向を注視し、金利や地域ごとの需要に応じた戦略を立てることが成功の鍵となるでしょう。
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2025年2月11日,ATTOMの配信ウェビナーを元に、筆者が和文抄訳し加筆修正を加えたものです。内容の真贋については原文を正として取り扱いください。
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