はじめに
米連邦準備制度理事会(FRB)が2023年8月2日発表したインフレに伴う利上げを継続した事により、今週の不動産購入時に多くの方が利用する住宅ローン金利は上昇しました。バンクレートが大手金融機関を対象に毎週行っている全国調査によると、30年ローン金利の平均は先週の6.98%から今週は7.09%に上昇しました。
バンクレートの全国調査によると、今週のアメリカ30年固定住宅ローン金利は、前週の平均金利6.62%から39ベーシスポイント上昇。また、現在の全国平均15年固定住宅ローン金利は6.05%から6.16%へ11ベーシスポイント上昇。現在の全国平均5年物ARM住宅ローン金利は6.87%から7.00%へ13ベーシスポイント上昇。
金利変動の要因は?
住宅ローン金利は金融機関が設定します。貸し手は、借り手の信用履歴、頭金額、住宅の価値など、借り手の住宅ローン金利を決定するために多くの要因を考慮します。インフレ、雇用の増加、およびリスクを高める可能性のある借り手のコントロール外の他の経済要因も、貸し手が金利を設定する方法の一部を構成します。正確な計算式がないため、住宅ローンの金利は通常、貸し手によって異なります。
FRBは先月、インフレ対策から一旦距離を置いた後、先週の会合で利上げを再開。中央銀行は広く予想されていた4分の1ポイントの利上げを発表。FRBは住宅ローンの固定金利を直接決定するわけではありませんが、金利の基調を決定します。FRBは政策金利を2022年初めのゼロから現在5.25%まで引き上げており、住宅ローン金利は急上昇しています。
全米不動産協会のチーフ・エコノミスト、ローレンス・ユン氏は、「これは過去40年間で最も積極的な金利引き上げです。」とコメントしています。
住宅ローン金利は依然としてインフレ率に連動しています。一方、最も関連性の高い指標は10年物国債利回りで、水曜日には4%を超え、2023年以来の高水準。
Zillowのシニア・エコノミスト、オルフェ・ディボウンギー氏は、「今後数カ月間のディスインフレは、緩やかではあるが、国債利回りの下降を後押しし、住宅ローン金利もそれに追随する傾向がある」と述べています。住宅ローン金利は2022年の大半に渡って急上昇し、11月には7%を超えてから後退し、再びその水準に逆戻りしました。
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今週の住宅ローン金利
今週の調査で対象となった30年固定住宅ローンは、平均0.31のディスカウント・ポイントとオリジネーション・ポイントの合計でした。過去52週間、ベンチマークとなった30年固定金利住宅ローンの平均は6.61%。1年前の30年固定金利住宅ローンは5.55%。4週間前は6.95%。今週の30年固定金利平均は、52週前の最低値5.59%より1.5ポイント高いです。
その他のローン
アメリカの銀行大手Bank of Americaを例に取ってみると、このようになります。
5/6金利調整型住宅ローン(ARM)は7.09%で、先週の7.02%から上昇。
30年固定金利のジャンボ住宅ローンは6.95%で、先週の6.88%から上昇。
住宅ローン金利が住宅の値ごろ感に与える影響
米住宅都市開発省によると、2023年の全国世帯収入中央値は9万6300ドル、全米不動産協会によると、2023年6月に販売された中古住宅の価格中央値は41万200ドル。頭金を20%、住宅ローン金利を7.09%とすると、月々の支払額は2203ドルで、一般的な家庭の月収の27%に相当します。
昨年の世帯収入の中央値は9万ドル、住宅価格の中央値は41万3800ドル、住宅ローン金利の平均値は5.一般的な住宅を購入するには、月収の25%が必要だったのです。住宅ローン金利の急上昇は、購入しやすい価格を圧迫し、住宅販売の減速を引き起こしました。初めて住宅を購入する人は、特にこの市況の影響を受けやすい。しかし、住宅価格が大幅に下落することはなく、売り物件が不足していることから、価値が下落する可能性は低いと住宅エコノミストは述べています。
エコノミストの反応は?
不動産マーケティング会社Keeping Current Mattersのチーフ・エコノミストであるジョージ・ラティウ氏は、「住宅ローン金利が6%を超える状態が11ヶ月続いたため、多くの住宅購入者は新しい現実に予算を合わせています。」と述べています。
多くの住宅エコノミストは、インフレが抑制されるにつれて住宅ローン金利が今年後半に低下することを期待しています。「インフレ率が目標水準に戻るのに伴い、住宅ローン金利が低下傾向になれば、不動産市場の摩擦はかなり解消されるはずです」と語るのは、不動産仲介会社ケラー・ウィリアムズのチーフ・エコノミスト、ルーベン・ゴンザレス氏。
住宅ローン金利の行方
専門家は、FRBの利上げが一巡する2023年末までに金利が低下すると予想していましたが、米国経済の回復力がその予想に影を落としています。雇用市場は依然として堅調で、米国経済はまだ景気後退に陥っていません。
FRBがこのサイクルのピークに達したことを明確に示せば、住宅ローン金利は低下傾向を示すと予想されます。金利の方向性に関する不確実性が低下すれば、住宅ローン金利の国債ベンチマークに対するスプレッドは縮小するはずだからです。
住宅エコノミストは、インフレ率の鈍化がいずれ住宅ローン金利に低下圧力をもたらすという意見に同意しています。低インフレは低金利を意味します。従って、消費者物価の減速は、数ヵ月後には住宅販売を着実に押し上げ、住宅生産を増加させる可能性があります。
用語について
変動金利型住宅ローン(ARM)とは
変動金利型住宅ローンとも呼ばれるARMは、ニューヨーク連銀が毎日発表する米国財務省短期証券(T-Bill)や担保付翌日物融資金利(SOFR)などの指数の変動に応じて、ローン期間中に定期的に金利が変更されます。バンク・オブ・アメリカのARMは通常、ARM金利調整の基準としてSOFRを使用しています。注:バンク・オブ・アメリカはニューヨーク連銀とは提携していません。ニューヨーク連銀は、バンク・オブ・アメリカが提供するいかなる商品またはサービスについても、承認、保証、推奨するものではありません。
金利の変動により毎月のお支払額が変動する可能性があり、また、借入期間の当初はレンダーが低金利で請求する場合があります。ほとんどのARMには金利上限が設定されており、調整期間中(金利再計算までの期間)とローン期間中の金利変動が制限されています。
年利回り(APR)とは
借り手に対するローンの年間コスト。金利と同様に、APRはパーセンテージで表されます。ただし金利とは異なり、ローンの総コストを反映するため、その他の手数料(住宅ローン保険、ほとんどの決算費用、ポイント、ローン組成手数料など)が含まれます
ポイントとは
金利を引き下げるために、通常クロージング時にレンダーに支払う金額。モーゲージ・ポイントまたはディスカウント・ポイントとも呼ばれます。1ポイントはローン額の1%に相当します(例えば、10万ドルの住宅ローンで2ポイントは2,000ドルに相当します)。
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この記事はNARウェブサイトを元に、筆者が和文抄訳し加筆修正を加えたものです。内容の真贋については原文を正として取り扱いください。
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