私は2020年の春からアメリカでコロナが騒がれだした時に、これは予想も付かない大変な事になり、
不動産景気にも大きな影響があるかと案じておりました。
ご存知のように、2007年のサブプライム、2008年のリーマンショックでは、直接不動産ローンが元凶で、もろに不動産中間価格が60万ドルから30万ドルの半額になりました。しかし今回はウイルスが元での世界経済への影響の為に、だいぶ前回とは異なった動きになりました。
図1では、2020年と2021年では不動産の中間価格はそれぞれ12%と20%値上がり、合計この2年間で30%以上上がりました。カリフォルニア全体での最新中間価格は90万ドルで、ロス群では戸建て中間価格は110万ドルと発表されました。
これらの大きな要因は、図2で示すように、まず不動産ローン金利が2017年より3年間、過去60年間で最低の4%台が続いてきましたが、更に2020年になり3%前半となり、2021年は更に下げて3.0%以下となりました。実際多くの私どものお客様は2.5%前後でローンを獲得されました。その為、買い手がこの機会を逃さないようにと、市場に溢れました。しかしコビッドの経済不安や失業率の増加から売り手の数はそれほど増えなかった為、大変異常な現象が起こってきました。
図3の棒グラフは2021年では、全取引の71%の物件が同時に2つ以上の買い手からのオファー(買い契約)が入り、折れ線で一つの物件に平均5.5組の買い手さんが殺到したことになります。最近の私どもの売り出し物件でも22組の買い手からオファーを頂きました。ものすごい買い手同士の競争率です。
更に図4(左側)では、2021年では61%の物件が売り手希望提示価格より上で売却されました。また図4(右側)では、2008年では、売却提示価格より8%平均値下げされたのですが、2021年では、逆に平均2.1%提示価格より上で売却されました。しかも折れ線で分かるように平均たった1週間で売却されたのです。この異常さは2022年3月現在もまだ続いております。
さて、この異常な不動産市場ですが、今後2022年夏から後半とその後はどのようになっていくのでしょうか。
今年になりFRB(アメリカ中央銀行)がインフレ抑制の為に政府の貸付金利を上げました。そのために先月では一気に30年の固定金利が4.0%に上がりました。またウクライナの世界情勢の余談許せない中、もし金利が今後5%台になる事があれば、私は今のような異常な不動産過熱は無くなり、正常に戻るかと思います。最後に予測では、今年の不動産中間価格の上昇は2021に比して鈍化して6%ぐらいに落ち着くと思います。
以上です。(データはCalifornia Association of Realtorで私もメンバーです)